日本の家は、いつの時代から自然素材から工業建材へと移行いたしました。
しかし、今でも自然素材に真剣に取り組んでいる人々が居ります。そんな人を訪ねて1月27日冬の北上川に行ってきました。広大な葦原が冬の日差しに輝いていました。
12月から3月までが葦の刈り取りシーズンとか、しかし太平洋側の水分の多い雪が降れば葦は倒れてしまいます。又、大潮の日は水に埋まり作業が出来ません。自然素材はまさしく自然に左右されます。
ハンガリー製の湿地で動ける特殊車両で刈り取り、刈った後は4月ごろ“火入れ”して春の芽吹きを待ちます。
刈り取られた葦は長さ等、人の目で選び、冬の北風に乗せてゴミを除去します。
「昨年の暮れから来ていますが、面白くて帰れない」というアルバイトの神奈川の女子大生!てきぱきと作業しています。
葦の束はトラックにうず高く積まれ、置き場に保管されます。
葦刈り、保管、葦原の整備…等をやっている熊谷産業は全国の茅葺屋根工事も行っています。
昨年8月に相倉で見かけた茅葺屋根工事は相倉の職人さんによるものですが、このように自然素材に真摯に取り組んでいる人々によって、日本の民家は守られているのです。
『北上の夕陽枯葦翁刈る』泉一九
埼玉・木の家・つくり人:小山