今年は夏休みをいただいて、大阪に一人旅に行ってきました。
実は大阪のとある町で、整理・整頓・清掃の3つの言葉の頭文字をとった3S活動を徹底的に取り組むことで経営を立て直した町工場があるということを聞きつけて、しかも一般向けに工場見学や講習会を定期的に開いているようなので、これは面白そうだ!とはるばる参加してきました。
金型設計の製造販売をしている枚方合金工具株式会社というところです。
私は整理と清掃の仕事に関しては得意分野なのですが、大雑把な性格もあってどちらかというと「整頓」は二の次、余裕があればやるけどそこまでやらなくてもいいかと、おろそかにしてきた部分です。
しかしこの工場見学で目にした光景は、きっちり細かく分類された工具類、誰にでもわかるように表示されたラベルや表示、独自の物品管理発注システムや、事務机の引き出しの形跡管理、ビジュアル的書類整理法など、整理収納アドバイザーの私でも舌を巻くほどの徹底管理が施されていました。
また、自分たちでペンキを塗ったという工場内の床を毎朝ピカピカに磨き上げるという清掃活動。
もちろん土足ゾーンです。
こんなに明るくて清潔で整理整頓された町工場をマダムは見たことがありません。
今では、この3S活動を学びたいという経営者や担当者が全国から来ているそうです。
バブルの崩壊により業績が下がり、安い海外製品に押され、従業員の高齢化など問題の山積していた会社は藁をも掴む思いで、この3S活動を取り入れたそうです。
しかし、最初からうまくいくはずもなく、様々なハードルを乗り越え、整理・整頓・清掃を経営者から従業員まで一丸となって取り組んだ結果、工場の雰囲気が変わり、社員たちの人格も変わり、社格が上がり、企業風土にまで定着するようになり経営はV字回復、求人では小さな町工場に若い人たちが集まってくるようになったそうです。
整理整頓清掃をシステム化することで、時間やコストが削減できたぶん、快適空間や福利厚生などのゆとりに回すことができます。
また整理整頓清掃を遂行しようする緊張感が、仕事の意識や感覚を研ぎ澄まし、ミスが減り、安全に気を配ることができ、責任感が生まれ、会社に対する愛着までわいてくるというから不思議ですね。
そんなパワーと可能性を秘めた3S活動を間近に体感することができ、大変有意義な旅となりました。